美容室経営の教科書 #14 販売管理費の基準値
独立して自分の美容室を持った皆さんは経営者です。今まで技術・デザインや接客の勉強はたくさんしてきたと思います。しかし、これからは経営の勉強もしていかなくてはなりません。残念ながら美容師に経営を教えてくれる機関はありません。そこで私の経験をもとに美容室経営の教科書を作りましたので、競合の多い美容業界を勝ち抜くヒントにしていただけたら幸いです。
販売管理費の基準値

こんにちは!今日は販売管理費の基準値について勉強していきましょう!

今日のゴールは販売管理費の基準値を知り、自社と比較し課題を見つける!です。
よろしくお願いします!

お願いします!

前回、販売管理費の5つの種類を学びました。ぱん太さん覚えていますか?

はい!
①労務コスト ②営業コスト ③運営コスト ④設備コスト ⑤管理コスト
です!

素晴らしい!
今日はそれぞれのコストの基準値を説明します。
自社と比較して違いを見つけて、改善につなげてください。
また、会社の戦略によって違いはありますので、一定の基準と捉えてください。

はい!

①労務コスト
美容室経営に関わる人件費など・・・給与、賞与、法定福利費、福利厚生費、旅費交通費、退職金など
総売上(技術売上+店販売上)の45%

②営業コスト
営業活動を行う上で必要となる費用・・・広告宣伝費、販売手数料、ロイヤリティなど
総売上(技術売上+店販売上)の3%

③運営コスト
営業を運営・維持するための費用・・・通信費、消耗品費、事務用品費、水道光熱費、新聞図書費、雑費など
総売上(技術売上+店販売上)の8%

④設備コスト
営業するための設備にかかる費用・・・家賃、リース料、修繕費、減価償却費、租税公課など
総売上(技術売上+店販売上)の13%

⑤管理コスト
営業をするための管理にかかる費用・・・保険料、支払い手数料、交際費、会議費、顧問料
総売上(技術売上+店販売上)の5%

うわぁ〜、ずいぶんオーバーしてるなぁ・・。

総売上から原価と販売管理費を引いて営業利益の基準値を出してみます。
ぱん太さん、原価の基準値は覚えていますか?

はい!
原価の基準値は15%以内です!

素晴らしい!しっかり学んでいますね。

では、営業利益の基準値を出してみます。
例として総売上500万円とします。
総売上500万円 ー 原価75万円(15%) = 粗利425万円(85%)
粗利425万円(85%) ー 労務コスト225万円(45%)ー 営業コスト15万円(3%)
ー 運営コスト40万円(8%)ー 設備コスト65万円(13%)
ー管理コスト25万円(5%)= 営業利益55万円(11%)
上記からわかるように、営業利益は最低でも10%以上は出せるようにしましょう。

よ〜し、コスト削減しまくるぞぉー!

ちょっと待った!
間違ったコスト削減はお客様とスタッフに悪影響となり失客や離職につながるので注意が必要です。
サービスが悪くなったり、給料が上がらなかったりは最悪です。
経営で重要なのはバランスです。常にバランスを考えながら対処しましょう。

な、なるほどぉ・・。わかりました。

以前もお話ししましたが、美容室経営での大きなコストは労務コスト45%、原価15%、設備コスト13%です。まずは、この3つを見直しましょう。
設備コストの内訳の家賃は8%以内を基準にしてください。ただし、家賃を下げることは実質不可能なので、オーバーしている場合は家賃に対しての売上が低いと考えましょう。売上が上がれば比率は下がります。

そういうことかぁ。

最後に今日のまとめです!
今日のまとめ
・販売管理費の基準値
①労務コスト・・・総売上(技術売上+店販売上)の45%
②営業コスト・・・総売上(技術売上+店販売上)の3%
③運営コスト・・・総売上(技術売上+店販売上)の8%
④設備コスト・・・総売上(技術売上+店販売上)の13%
⑤管理コスト・・・総売上(技術売上+店販売上)の5%
・売上100% ー 原価15% = 粗利85%
粗利85% ー 販売管理費の合計74% = 営業利益11%は出る
営業利益は最低でも10%以上
・最初に見直すのは労務コスト、原価、設備コスト(比率が大きいから)
設備コストの内訳の家賃は8%以内が基準値

今日はここまで!お疲れ様でした!

ありがとうございました!
