美容室経営の教科書 #12 原価の管理

独立して自分の美容室を持った皆さんは経営者です。今まで技術・デザインや接客の勉強はたくさんしてきたと思います。しかし、これからは経営の勉強もしていかなくてはなりません。残念ながら美容師に経営を教えてくれる機関はありません。そこで私の経験をもとに美容室経営の教科書を作りましたので、競合の多い美容業界を勝ち抜くヒントにしていただけたら幸いです。

原価の管理

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先生

こんにちは!今日は原価の管理について勉強していきましょう!

先生

今日のゴールは原価の管理を知り、仕組み化すること!です。

よろしくお願いします!

ぱん太

お願いします!

先生

前回、原価について学びました。

ぱん太さんのお店の原価率は何%でしたか?

ぱん太

はい、あの後調べたら先月は23%でしたぁ・・。

先生

原因の解明はできましたか?

ぱん太

いやぁ、考えてはいるんですけどぉ・・。

先生

いくつか原因はありますが、よくある原因を説明します。

ぜひ、取り入れてみてください。

ぱん太

はい!

先生

・原価率が高いよくある原因

①在庫管理が出来ていない(どのくらい残っているか把握していない)

②発注のルールがない(今月使う分になっていない)

③材料の使いすぎ(マニュアルなどの決まりがない)

④割引しすぎている(仕入額がわかっていない)

⑤スタッフが盗んでいる(悲しいですがよくある)

ぱん太

ほとんど当てはまる・・・。

先生

1つずつ見直していきましょう!

①在庫管理が出来ていない

以前仕入れた材料が裏の方に隠れてた!なんてこともよくあります。

また、キャンペーンの時など多めに仕入れたものがそのまま残っていることもあるでしょう。

対策としてはまず、整理整頓しながら置き場所を決めてください。次の発注までに余り過ぎず、絶対に足りなくならない数を決めます。全ての材料1つ1つに対して決めます。1〜3ヶ月かけて様子を見ながら決めても結構です。これを適正在庫と言います。

例えば、カラー剤の6レベルのナチュラルブラウンは6本、パーマのペーパーは2束など

最初に適正在庫に揃える際に、適正在庫に足りていない商品は多く注文することもありますので、その月の原価が多くかかってしまいます。経営状況を見ながら調整してください。(いくつかの商品は翌月に適正在庫に合わせるなど)

また、キャンペーンの時は適正在庫とは別で発注をかけますが、余ってしまった場合は、どこかのタイミングで割引して売ってしまいましょう。その際は仕入れた金額以下には、ならないように注意してください。

先生

②発注のルールがない

1週間に1回発注するなどは決まっていると思いますが、発注数が何となくになっているお店が多いです。

先程の適正在庫を決めたら、それらを一覧表にします。そして発注の際は一覧表を見ながら減った分だけ注文します。

例えば、

適正在庫 カラー剤の6レベルのナチュラルブラウン 6本の場合

残り2本になっていたら4本注文

このやり方のメリットとして、

1.注文しすぎが起きない(余計な在庫がない)

2.誰でも発注できる

3.続けると感覚的に「今週のこの商品は減りが早いな」と気づき問題発見できる

先生

③材料の使いすぎ

材料の使用量のマニュアルを作りましょう。「計り」すら使っていないお店もよくみます。

例えば、2センチまでのリタッチは1剤30グラム、ロングヘアーのシャンプーは2プッシュなど

決めたら見える位置に必ず貼ってください。シャンプーボトルにテプラで貼るのもおすすめです。

ぱん太

そこまでやるのかぁ。

先生

特にスタッフが数名いる場合は、そこまでやらないと徹底するのは難しいです。

先生

④割引しすぎている

「割引すること」が原価率を上げてしまっていることに気がついていない方も非常に多いです。

例えば、

販売価格10,000円、原価7,000円の商品があったとします。(消費税は無視)

これを割引なしの10,000円で売ったら、

売上10,000円、原価7,000円、原価率70%、売上総利益(粗利)3,000円ですが、

10%OFFの9,000円で売ったら、

売上9,000円、原価7,000円、原価率77.7%、売上総利益(粗利)2,000円になります。

原価率が上がり、売上総利益(粗利)は減ります。

ここで重要なのが、10,000円で売っても、9,000円で売っても人件費や家賃は変わらないと言うことです。人件費や家賃は売上総利益(粗利)から引く販売管理費に入ります。

売上総利益(粗利)3,000円と2,000円どちらからも同額の販売管理費を引くので、残る営業利益はもちろん3,000円の方が多くなるのです。

つまり、売上を追うがゆえに安易な割引をすると減価率を高めることになり、結果、利益が残らないと言うことが起きてしまうのです。

ぱん太

なるほどぉ。

先生

⑤スタッフが盗んでいる

こんなことを言うと、スタッフを信用していないのか!と思われると思いますが、悲しいですが実際によくあります。特に店販商品で起こります。

ですが、疑ったり、疑われたりしていては良い仕事はできません。なので、そうしなくて済む仕組みが必要なのです。

例えば、

店販商品の残り個数を常に書き出しておく、帰る際は在庫棚の写真をとるなど

そして、「そういうことをやる」ということをスタッフへ伝えておく事が重要です。でないと「私たちは疑われている」と思われてしまいます。

「よそのお店で店販商品が盗まれたそうです。犯人探しでお店の雰囲気も最悪だそうです。うちのお店では、そんなことは起きないと思いますが、お互い気持ちよく仕事するために、念のため〇〇をしますので、ご理解のほどお願いします。」

このように伝えておけば問題ないでしょう。

ぱん太

確かにそう言えば、わかってもらえそぉですね。

先生

最後に今日のまとめです!

今日のまとめ

・原価率が高いお店のよくある原因

①在庫管理が出来ていない

【対策】整理整頓しながら置き場所と適正在庫の数を決める。

②発注のルールがない

【対策】適正在庫の一覧表を作り、見ながら減った分だけ注文する。

③材料の使いすぎ

【対策】材料の使用量のマニュアルを作る。使用量を見える位置に必ず貼る。

④割引しすぎている

【対策】安易な割引をしない。売上を追うがゆえに安易な割引をすると減価率を高める。

⑤スタッフが盗んでいる

【対策】販商品の残り個数を常に書き出しておく、帰る際は在庫棚の写真をとるなど。

先生

今日はここまで!お疲れ様でした!

ぱん太

ありがとうございました!

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