美容室経営教科書 #9 経営管理
独立して自分の美容室を持った皆さんは経営者です。今まで技術・デザインや接客の勉強はたくさんしてきたと思います。しかし、これからは経営の勉強もしていかなくてはなりません。残念ながら美容師に経営を教えてくれる機関はありません。そこで私の経験をもとに美容室経営の教科書を作りましたので、競合の多い美容業界を勝ち抜くヒントにしていただけたら幸いです。
経営管理

こんにちは!今日は経営管理について勉強していきましょう!

今日のゴールは経営管理の目的と種類を知り、経営計画の遂行に活かすこと!です。
よろしくお願いします!

お願いします!

前回、経営計画を立てました。
今回はその計画を遂行するにあたり必要な管理の目的や種類を学んでいきます。

はい!

経営管理の目的は会社・お店の持つ資源(人、もの、金、情報、時間)で最大限のパフォーマンスを出して目標達成するための仕組みを作ることです。

さっそく??

例えばスポーツの世界でも、目標を決めたら、目標達成のための作戦を決めて、そのためのトレーニングを決めて、選手のコンディションを管理して、良い選手を出せるようにしますよね?

そうですねぇ。

経営も同じで資源の管理をして良い状態を作ることで目標達成しやすくなります。
また、経営していく中で起こる問題が、どこの管理のどの部分が甘かったのか把握しやすくなるので、修正しやすくなり同じ問題が起こりづらくなります。

なるほどぉ。

経営管理は業務範囲によって大きく5種類に分類されます。
①生産管理
②販売管理
③労務管理
④人事管理
⑤財務管理

はじめて聞くものばかりです・・。

大丈夫!1つずつ例えを出して説明していきます。

①生産管理
事業活動を続けていく上で欠かせない生産活動を効率化するのが生産管理の役割です。
美容室の場合は、売上を作るのに関わることと思っていただけたら大丈夫です。
例えば、
- メニュー構成
- 新メニューの導入
- カラー剤、パーマ剤、店販商品の商材選び
- お待たせしないオペレーション改善
- 価格の適正・見直し
- 技術レベルの向上
- アシスタントのカリキュラムの進捗
- 新機材の導入
上記の内容それぞれに管理の仕方を決めると良いでしょう。

管理の仕方?

例えば1年に1回は必ず新メニューを入れるとか、2年に1回は価格を見直すなどです。
いつ頃、誰が決めて、導入はいつかまで決めておくと良いでしょう。
以後も同様です。

なるほどぉ。

②販売管理
事業活動における「お金」、「もの」、「サービス」の流れを管理するのが販売管理です。適切な販売管理を行うことで、損益状況や売り上げを把握でき、利益向上策を打ちやすくなります。
例えば、
- レジ金管理
- ポスレジ機能
- キャッシュレス決済機器
- ポイントカード
- 顧客管理
- 顧客への年賀状、バースデーカード
- 材料の発注
- レンタルタオルの枚数
- 在庫棚卸し

③労務管理
労働条件や福利厚生など、従業員の働く環境を管理するのが労務管理です。
労働基準法や最低賃金法などの労働法に基づいて管理を行います。
労務管理の徹底は会社・お店のコンプライアンスにつながります。リスクマネジメントだけでなく、従業員満足にも大きく関わるので非常に重要です。
例えば、
- 労働契約の締結
- 就業規則の整備
- 社会保険・雇用保険の手続き
- 勤怠管理
- 給与計算
- 安全衛生管理

④人事管理
採用活動から配置決め、人材育成、評価といった従業員に関すること全般を管理します。
適正な人事管理によって、従業員のモチベーション向上や生産性向上につながります。
例えば、
- 従業員の採用
- 人事配置・異動
- 賃金管理
- 社内教育の提供
- 退職の手続き

⑤財務管理
事業活動に必要な資金の調達から資金の運用方法までを考え、実行していきます。
財務管理が十分でないと倒産リスクがあるため、特に注意が必要です。
例えば、
- 資金調達
- 決算書の作成
- 財務分析
- キャッシュフロー管理

こりゃ大変ですねぇ・・。

すでに出来ている部分もあると思いますので、1つずつできる事から取り組みましょう!

はい!頑張ります!

最後に今日のまとめです!
今日のまとめ
・経営管理の目的
会社・お店の持つ資源(人、もの、金、情報、時間)で最大限のパフォーマンスを出して目標達成するための仕組みを作ること
・経営管理は業務範囲によって大きく5種類に分類される
①生産管理
売上を作るのに関わること・・・メニュー構成 、価格の適正・見直し、技術レベルの向上など
②販売管理
「お金」、「もの」、「サービス」の流れを管理・・・レジ金管理、ポスレジ機能、顧客管理など
③労務管理
従業員の働く環境を管理・・・労働契約の締結、就業規則の整備、給与計算など
④人事管理
配置決め、人材育成、評価といった従業員に関すること全般を管理・・・従業員の採用、人事配置・異動、
社内教育の提供など
⑤財務管理
事業活動に必要な資金の調達から資金の運用方法までを考え、実行・・・資金調達、財務分析、
キャッシュフロー管理

今日はここまで!お疲れ様でした!

ありがとうございました!
