美容室経営の教科書 #1 経営とは
独立して自分の美容室を持った皆さんは経営者です。今まで技術・デザインや接客の勉強はたくさんしてきたと思います。しかし、これからは経営の勉強もしていかなくてはなりません。残念ながら美容師に経営を教えてくれる機関はありません。そこで私の経験をもとに美容室経営の教科書を作りましたので、競合の多い美容業界を勝ち抜くヒントにしていただけたら幸いです。
経営とは

皆さんすでに経営者の方やこれから独立して経営者になる方だと思いますが、経営とは何か?考えたことはありますか?

経営とは?売上や利益のことは考えますけど・・・。

そういう方が多数だと思います。ですが、非常に重要なのでしっかり学んでいきましょう!

まず今日のゴールを説明します。
今日のゴールは、次項でやる「自社や自店の経営理念を決める」際の考え方の土台を決める事です!
さっそく始めていきます。よろしくお願いします!

はい!よろしくお願いします!

経営とは?どういうことだと思いますか?

商売して儲けること?

その通りです!では何のために商売して儲けるのか?

生活するため!お金持ちになりたいから!!

半分正解!ただ、◯さんの社員がそれで頑張りますか?
他社がそういう会社とお付き合いしたいと思いますか?
「私がお金持ちになるためにお客様きてください」でお客さんは来ますか?

んんん・・・。

複数の経営者に、「企業や店舗の経営とは何か?」と聞いたとき、おそらく返ってくる答えはさまざまでしょう。

それは、経営者ごとに「経営」に対する考え方や意識が異なるからで、経営を安定して継続させている経営者ほど、経営に対する定義づけをしっかり行っているケースが多いんです。

へぇ〜、そうなんですかぁ。

逆に、倒産や不祥事の起こる会社はあまりやっていないことが多いです。

なるほどぉ。

経営という言葉の共通の定義は難しく、また正解もありません。

ええぇー!それ考える意味ありますか?

多いにあります!自分で言葉の意味を解釈して、自分なりの考え方や見解を持っておくことが重要です。

ではなぜ重要か?

経営者にしかできない仕事は決断をすることです。どの事業をするか?エリアは?場所は?資金は?何人雇うか?給与は?時間は?集客は?ターゲットは?いろいろあります。

数多くの決断をする上で考え方の軸がないとブレてしまい経営の失敗に繋がり安いからです。
調子の良い時は誤った判断をしても致命傷にならないこともあるでしょう。しかし、時代の変化も早く、激しい中での経営
は多くの壁や困難も予想されます。そんな中、決断していくには考え方の軸を持つことが非常に重要なのです。

確かにそうですね。

私が関わった多くの経営者はここを曖昧にしていました。
曖昧であることは知らないことと同じです。

曖昧?

深く考えることをしないので継続的な成功を収めずらいのです。
曖昧な言葉は曖昧な行動を生みます。
ぱん太さん「今日は集客を頑張りましょう!」と言われて何をどれくらい頑張れますか?

う〜ん・・・。

そうなりますよね?社員の理解度がバラバラだと力の分散がおこりパフォーマンスが必ず落ちます。

なので経営するとは何なのか?何のためにやるのか?が非常に重要なのです。

なるほど!

広辞苑によると経営とは「継続的・計画的に事業を遂行すること。会社。照合など経済活動を運営すること。またはそのための組織」とあります。

よくわからないです・・。

現代経営の父:ピーター・ドラッカーは 、
「経営とは人間の幸せのために行うもの」で、 経営=マネジメント=「組織に成果を上げさせるための道具、機能、機関」と定義しています。

誰ですかぁ?

経営学者ドラッカーはこの人


ぜひ一度読んでみてください!!

この著書の中でドラッカーは経営=マネジメントの役割として以下のように見解を述べています。
マネジメントの3つの役割
①事業を通じて特有の社会的機能を全うすること
事業の目的は喜ぶ人を増やすこと その組織にしかできない社会的な使命を帯びた機能を発揮することで、社会貢献を行うこと
②組織メンバーの生産的な働きによる自己実現を達成すること
組織内で働くメンバーが生き生きと生産的な仕事を行うことを通じて、そのメンバーの自己実現が図られるようにすること
③社会的問題解決に貢献すること
利益追求など組織自身の固有の利益に固執することで悪い影響を及ぼすのではなく、世の中をプラスに導くことへ貢献すること

むずかしい・・。

例えば、美容室の場合は
①事業を通じて特有の社会的機能を全うすること
→ 技術や接客や居心地の良い空間などのサービスでお客様に喜んでいただくこと
②組織メンバーの生産的な働きによる自己実現を達成すること
→ その対価でお金をいただき、社員の給与ややりがい、キャリアアップなどで社員の夢や生活をサポートすること
③社会的問題解決に貢献すること
→ 事業拡大で多くの人を採用するとか、ヘアドネーションとか、災害時の避難場所にカットしに行くとか、より多くのお客様に喜んでいただき、多くの売上を上げ、多くの利益を出し、多くの給与や税金を払うことも多大な貢献です。

なるほど

何度も言いますが、これは正解があるわけではありません。今やっていることで当てはまることも多いと思います。
経営者が自分の中で言葉の意味を解釈し、自分なりの考え方や見解を持っておくことが重要です。
経営者が自分で考えて自身の考え方の土台を作りましょう!
そして、次の項でやる経営理念に具体的に落とし込んでいきましょう!

経営者としての一番大事な大枠の考えってことですね?

その通りです!
最後にまとめです。
今日のまとめ
・「何のために経営するのか」という自分なりの解釈や見解を持つことが重要
・ヒントとなる考えは
①事業を通じて特有の社会的機能を全うすること
②組織メンバーの生産的な働きによる自己実現を達成すること
③社会的問題解決に貢献すること
・経営理念を決める際に土台となる考えで非常に重要なので時間をとって真剣に考える。

今日はここまで!お疲れ様でした!

ありがとうございました!
