美容室経営の教科書 #13 販売管理費
独立して自分の美容室を持った皆さんは経営者です。今まで技術・デザインや接客の勉強はたくさんしてきたと思います。しかし、これからは経営の勉強もしていかなくてはなりません。残念ながら美容師に経営を教えてくれる機関はありません。そこで私の経験をもとに美容室経営の教科書を作りましたので、競合の多い美容業界を勝ち抜くヒントにしていただけたら幸いです。
販売管理費

こんにちは!今日は販売管理費について勉強していきましょう!

今日のゴールは販売管理費の種類を知ること!です。
よろしくお願いします!

お願いします!

販売管理費(※以降、販管費とします)とは美容室事業の営業活動に要した費用のうち、原価以外の費用のことです。
売上総利益(粗利)から販管費を引いたものが営業利益つまり「本業での儲け」になりますので、販管費の管理は非常に重要です。
今日はまず、販管費の種類や内訳を知りましょう。

はい!

販管費は大きく5つの種類に分かれます。
それぞれ費用なのでコストと呼びます。その中に内訳があり、「この費用はここに入れましょう」というような一定の決まりがあります。
経営では比較・検証しやすくするために、まずは大きい範囲でどの部分のコストがかかっているかを知り、さらにその中のどの内訳が課題かを見ていきます。

なるほど。

販管費の5つの種類
①労務コスト
②営業コスト
③運営コスト
④設備コスト
⑤管理コスト

以下は一般的なものです。内訳は会社によって、どのコストに入れるかの違いがあります。

①労務コスト
労務コストとは、美容室経営に関わる人件費などの合計です。
主な内訳として、以下のものが含まれます。
■給与・・・従業員の給与
■賞与・・・従業員のボーナスなど
■法定福利費・・・健康保険や雇用保険など
■福利厚生費・・・従業員の歓迎会費、住宅手当など
■旅費交通費・・・通勤などの交通費
■退職金・・・退職金の支払いや、退職金の積み立て費用

②営業コスト
美容室の営業活動を行う上で必要となる費用です。
主な内訳として、以下のものが含まれます。
■広告宣伝費・・・ホットペッパー掲載料、配布リーフ料、ホームページ作成料
■販売手数料・・・販売に用いる決済システムの手数料など
■ロイヤリティ・・・フランチャイズ等でのブランド使用料

③運営コスト
美容室の営業を運営・維持するための費用です。
主な内訳として、以下のものが含まれます。
■通信費・・・ネットワークの通信料、電話料、Wi-Fi料
■消耗品費・・・洗剤、トイレットペーパーなど
■事務用品費・・・ボールペン、封筒、コピー用紙など
■水道光熱費・・・電気、水道、ガス、灯油など
■新聞図書費・・・雑誌、新聞、書籍
■雑費・・・上記に当てはまらない費用、お礼代、会議室のキャンセル料など

④設備コスト
美容室の営業するための設備にかかる費用です。
主な内訳として、以下のものが含まれます。
■家賃・・・店舗の賃料
■リース料・・・機器などのリース料
■修繕費・・・修理・改修の費用
■減価償却費・・・固定資産の分割費用計上
■租税公課・・・印紙税、固定資産税、自動車税

⑤管理コスト
美容室の営業をするための管理にかかる費用です。
主な内訳として、以下のものが含まれます。
■保険料・・・各種損害保険、セキュリティ保険
■支払い手数料・・・銀行の振り込み手数料、各種証明書の発行手数料
■交際費・・・事業に関わる相手との飲食代など
■会議費・・・経営に関しての会議や打ち合わせでの費用
■顧問料・・・税理士・弁護士などの顧問料

こんなにあるんですねぇ。覚えられるかなぁ・・・。

安心してください。覚える必要はありません。
販管費の5つのコストを知り、営業利益を出すために、まずどの部分が課題でどのように削減できるかが重要です。
次回その基準をお話ししますので、自社と比較して改善していきましょう!

はい!

最後に今日のまとめです!
今日のまとめ
・販売管理費(販管費)とは美容室事業の営業活動に要した費用のうち、原価以外の費用のこと。
・販管費の5つの種類
①労務コスト
美容室経営に関わる人件費など・・・給与、賞与、法定福利費、福利厚生費、旅費交通費、退職金など
②営業コスト
営業活動を行う上で必要となる費用・・・広告宣伝費、販売手数料、ロイヤリティなど
③運営コスト
営業を運営・維持するための費用・・・通信費、消耗品費、事務用品費、水道光熱費、新聞図書費、雑費など
④設備コスト
営業するための設備にかかる費用・・・家賃、リース料、修繕費、減価償却費、租税公課など
⑤管理コスト
営業をするための管理にかかる費用・・・保険料、支払い手数料、交際費、会議費、顧問料

今日はここまで!お疲れ様でした!

ありがとうございました!
